「同じ話を何度もする」「約束を忘れる」「以前より意欲がなくなった」——親のそんな変化に、ふと不安になることはありませんか。結論から言うと、認知症の初期サインに早く気づくことには、とても大きな意味があります。治療で改善する病気が隠れていることもあり、早ければ進行をゆるやかにする工夫や、本人の意思を確認しながらの準備ができます。気になるときは「気のせい」で終わらせず、かかりつけ医や地域包括支援センターに相談してみてください。この記事では、初期のサイン・加齢のもの忘れとの違い・気づいたときの動き方を整理します。
認知症の初期症状・サインとは?
認知症は、ある日突然なるものではなく、少しずつ進んでいくことがほとんどです。初期に見られやすいサインには、次のようなものがあります。
- 記憶:同じことを何度も聞く・言う、約束や予定を忘れる、置き忘れ・しまい忘れが増える
- 日時や場所:曜日や日付が分からなくなる、通い慣れた道で迷う
- 段取り:料理・買い物・お金の管理など、手順が必要なことがうまくいかなくなる
- 意欲:趣味や外出をやめる、身だしなみに気をつかわなくなる、テレビをぼんやり見て過ごす
- 感情・性格:怒りっぽくなる、疑い深くなる、不安が強くなる
大切なのは、1つのサインだけで決めつけないこと。ただし、こうした変化がいくつか重なり、少しずつ強くなっているようなら、一度専門職に相談する目安になります。
加齢のもの忘れと、認知症のもの忘れの違いは?
「年のせいのもの忘れ」と「認知症のもの忘れ」は、性質が少し違います。
| 加齢によるもの忘れ | 認知症によるもの忘れ | |
|---|---|---|
| 忘れ方 | 体験の一部を忘れる(朝食のメニュー) | 体験そのものを忘れる(朝食を食べたこと自体) |
| ヒント | ヒントがあれば思い出せる | ヒントでも思い出しにくい |
| 自覚 | 忘れた自覚がある | 忘れた自覚が乏しい |
| 進行 | 急には進まない | 少しずつ進んでいく |
| 生活 | 日常生活は送れる | 少しずつ支障が出てくる |
ただし、この違いは自己判断が難しいものです。「認知症の特徴に当てはまる気がする」と感じても、決めつけず、専門職の目で確かめてもらいましょう。
なぜ「早めに気づく」ことが大切なの?
初期のサインに早く気づくことには、次のような意味があります。
- 治る病気が隠れていることがある:認知症に似た症状でも、正常圧水頭症・甲状腺機能低下症・慢性硬膜下血腫など、治療で改善する病気が原因のこともあります。早く受診すれば、こうした「治せるもの」を見逃さずにすみます。
- 進行をゆるやかにできる場合がある:薬や生活の工夫、適切なケアで、進み方をゆるやかにできることがあります。
- 本人の意思を確認できる:はっきりしているうちに、これからの暮らしや医療・お金のことを、本人の希望を聞きながら話し合えます。
- 家族の準備ができる:介護保険の利用や制度の申請など、あわてずに備えられます。
「気のせいかも」「まだ大丈夫」と先延ばしにするより、早めの一歩が本人と家族の安心につながります。
「認知症かも」と気づいたら、どうする?
1. 責めない・問い詰めない
「どうして忘れるの!」と責めても、不安にさせるだけで良い方向には進みません。本人も内心、不安を感じていることが少なくありません。まずは穏やかに受け止めましょう。
2. 受診につなげる
- かかりつけ医:まず相談しやすい入口。必要に応じて専門医を紹介してもらえます
- もの忘れ外来/神経内科・精神科・脳神経外科:専門的な検査を受けられます
- 受診を嫌がるときは、「健康診断のついでに」「私も一緒に診てもらうから」など、本人が構えにくい形で誘う工夫を
3. 地域包括支援センターに相談する
地域包括支援センターは、高齢者の無料相談窓口。「認知症かもしれない」段階でも相談できます。受診の進め方や、使えるサービス・制度を教えてもらえます。
4. 介護保険の申請も視野に
介護が必要になりそうなら、要介護認定の申請も並行して進められます。市区町村の窓口や地域包括で、家族の代理申請もできます。
相談先
- かかりつけ医・もの忘れ外来:診断・治療
- 地域包括支援センター:無料の総合相談窓口
- 認知症の人と家族の会などの家族会:同じ立場の人と話せる
- 認知症の方に向いた施設・サービスは、認知症の方向けに探すやエリアから探すからも調べられます
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出典・参考
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「認知症」:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-036.html
- 厚生労働省「認知症施策」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/ninchi/index.html
まとめ
認知症の初期には、「同じことを繰り返す」「日付が分からない」「段取りが苦手になる」「意欲が落ちる」といったサインが現れます。加齢のもの忘れとの違いは自己判断が難しいので、いくつかの変化が重なり進んでいるようなら、かかりつけ医や地域包括支援センターに早めの相談を。早く気づけば、治る病気を見逃さず、進行をゆるやかにする工夫や、本人の意思を確認しながらの準備ができます。「気のせいかも」で先延ばしにせず、半歩でいいので動いてみてください。不安な気持ちは、AIアドバイザーにも気軽に話してみてくださいね(無料・登録不要)。